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報告書

事例紹介 5 徳島

徳島の観光舟運

NPO法人新町川を守る会 理事長
中村英雄

川の上に10年

 徳島市の中心部には、川が一周6kmぐらいあります。平成2年に守る会を作り、河川環境をもっと良くしよう、水辺に人が集まり、市民が愛着や誇りが持てるようなまちにしようということで頑張っています。  設立時から、毎月2回、川掃除をしています。大体船4隻で行き、夏は4トン、冬場も2トンぐらいのごみは出てくるように思います。私たち市民が掃除をしており、船も自前の船です。もう20年ぐらい行っていますが、やはり市民の見る目も変わってきたように思います。石の上に3年ってありますけど、「川の上に10年」ですね。

川を楽しもう

 川ではいろんなイベントをしています。かつてはこういう所でお酒を飲んだりすると市役所から怒られたこともありましたが、私は「市民が川に出ていって飲むようなまちにしませんか」と言い、このごろは認められつつあります。  漁師さんに魚をとってきてもらって皆で食べたり、川からサンタがやってくると称して、12月に船を飾ってプレゼントを配ったり。これはものすごく人気があります。他にも雅楽の演奏会、寒中水泳、屋形船での演奏会とか、みんなに川を見てもらうようにいろいろやっています。  私たちの船の船着場は、全部自前です。車いす専用のエレベーターもあって、誰でも川を利用できるようにしています。  川めぐりの船は、平成5年に市がひょうたん島のPR船として購入しました。バッテリーで動く船で、小さいです。月2回で年間100人ぐらい。平成7年に購入した中古の船で毎週土日・祭日に運航しました。今は毎日出しています。今走っている船の、1隻は市が、1隻は地元の銀行が、もう1つはロータリーが提供してくれました。  乗船料は、最初無料でしたが、今は保険代として100円もらっています。できるだけ安くすることで市民がたくさん乗ります。護岸がきれいになっていくと市民がほめるので、行政も企業もものすごく力を入れます。  阿波踊りのときは、1日千人ぐらいの観光客が乗ります。船を運転するのはボランティアの人、うちの会員も交代で運転します。

まず住民から

 川が本当にきれいになってくると、建物も川のほうに向いてきます。新町川のボードウォークも住民が高度化資金を借りてやっています。県庁前にはヨットハーバーがあり、知事会議があったときには、知事さんも調子に乗り、「東洋のベニス」と言ってもらいました。私は「ベニスのほうで、西洋の徳島と言うてくれてますよ」と言います。  住民が先頭に立てば行政も応援してくれますから、「住民参加」より「行政参加」と言うほうが良いと思います。住民がまちづくりをしていくということが本当に大事ですね。