事例紹介 2 台湾・高雄
高雄市は20世紀の新興都市で、台湾の東南部に位置し、3つの川があります。都市の中心部を愛河が流れています。1935年の高雄港建設時に下流部が浚渫され、幅73mから128m、水深3.6mの河道になりました。
昔は高雄河と呼ばれ、カップルがよく散歩に来るような所でした。ある時、その名前を知らない新聞記者が川沿いにあったコーヒー屋さんの名前を見て「愛河」と呼び、それから、みな愛河と呼ぶようになりました。
1945年以前、市の人口は25万人以下でしたが、60年には50万人、75年には100万人にも上りました。このとき、人口の約3分の2が愛河の流域に居住していたため、河の汚染に拍車がかかり、都市の発展にも障害を来たしました。
60年代から、政府は愛河と高雄港の汚染問題の対策に取り組み始めました。まずは、雨水の排水システムの構築です。63年には愛河の本川と支川の断面、及び両岸の堤防線を決定し、68年に汚水・下水道システムが完成しました。計画を立てた後、段階ごとに実施しました。第1段階は80年?85年で、下流部分の下水道施設の設置、この施設は、汚水の主要排水路、ポンプ場、汚水処理場、海への排水溝などを含んでいました。処理量は、1日40万トン、現在は1日75万トンです。将来は1日100万トンを目指しています。汚水が愛河に流れるのを防ぐために、汚水管の出口に分離施設を設置しました。
堤防の整備も行い、緑地、公園などを造り、都市発展の計画にあわせて雨水排水、汚水・下水道施設などの整備をしました。第1段階の下水システムの整備後は、水質が明らかに改善され悪臭もなくなり、環境基準を達成しました。愛河は71年に生態生息がゼロであると宣告されましたが、87年に5、6種類の魚が現れ、現在は50種類余りの魚が生息しています。
現在、下水道整備率は99%に達しています。流域において下水道が家庭に接続されている割合が53%以上に達し、これは台湾でも最も早い達成スピードです。雨水排水システムが約97.5%完成され、市内には洪水もなくなりました。
下流の旧市街地と上流の新市街地は愛河によって結ばれ、新しい文化産業と観光資源を生み出しました。旧市街地では、昔の倉庫、漁港、船着場などが結ばれ活性化しました。植樹を行なった両岸はすばらしい景色です。旧正月の沿岸地域での灯籠祭り、ボートレースや水上スポーツ活動も活発に行われます。合わせて橘橋と呼ばれている7つの橋がかけられて、川に沿ったサイクリングロードもつくりました。上流の新市街地には経済的、文化的な施設が増えています。また、愛河が整備されたことで隣接している地区も著しく発展しています。